熱影響を受けにくいスプレードライは、
菌体含有液の粉体化に最適です。
スプレードライは、微粒化した液滴を瞬間的に熱風で乾燥させるため乾燥時間が短く、かつ気流中における乾燥は低熱伝導のため粉体が昇温しにくく、さらには溶媒の蒸発潜熱により、加熱の影響を受けにくい特徴があります。そのため菌体等の微生物の活性を維持した乾燥粉体の製造に適しています。
バイオのスプレードライについてこのようなお悩みはありませんか?
- 活性を維持した菌体含入粉体を製造したい。
- 卓上スプレードライヤーでは、活性を保った粉体化が困難、収率が極めて低い。
- フリーズグラニュレーションで新たにサンプルを試作し、スプレードライ処理した自社製品と比較したい。
バイオのスプレードライに求められるもの
低温乾燥による活性を保った粉体化
スプレードライにて菌体の活性を保ったまま粉体化することが、バイオ業界では求められています。
スプレードライは、他の乾燥装置を比較して熱影響を受けにくいですが、加熱乾燥プロセスのため条件によっては、製造した粉体の活性を維持できないこともあります。枯草菌のような熱に強い菌体は例外として、バイオ用途のスプレードライ条件として熱風(入口)温度を下げた運転が一般的です。熱風温度を下げる代わりに、風量を上げて、熱ではなく、風で乾燥させることが重要なため、風量を多く投入できるスプレードライヤーの選定が望ましいです。また、当社が開発したフリーズグラニュレーターを使用することにより、熱影響をほとんど受けずに粉体化することも可能です。
バイオに関するサービス内容
- スプレードライヤーによる
受託加工・試作テスト造粒 - フリーズグラニュレーターによる
受託加工・試作テスト造粒 - 粉体の特性評価
(粒度分布、粒子形状、流動性、かさ密度、
粒子強度、比表面積、真密度、水分値) - 自動ふるい機による粉体の分級
- レオメーター、レーザー回折粒度分布計、
粘度計による溶液・原料液の特性評価
バイオのスプレードライ事例
ヨーグルトをモデル検体として、熱風温度条件を変更したスプレードライ顆粒を調製し、比較しました。
スプレードライ条件
No.1 | No.2 | No.3 | |
---|---|---|---|
使用装置 | Φ2600mm装置 | Φ2600mm装置 | Φ2600mm装置 |
熱風温度 / 排風温度 | 180℃ / 121℃ | 120℃ / 81℃ | 90℃ / 61℃ |
アトマイザー回転数 | 8000rpm | 8000rpm | 8000rpm |
原液供給速度 | 10kg/h | 10kg/h | 10kg/h |
静かさ密度(回収粉体) | 0.712g/mL | 0.736g/mL | 0.756g/mL |
乳酸菌生菌数(回収粉体) | 1.4×10^6 /g | 1.2×10^9 /g | 3.4×10^9 /g |
SEM画像
スプレードライ顆粒らしく、真球状に近い粒子であることが確認できます。
静かさ密度
低温条件は、乾燥に時間を要することで液滴→粒子の過程の収縮が大きくなるため、かさ密度が高くなります。高温条件は外殻の形成が早くなり、かさ密度が低くなります。
生菌数(乳酸菌)
MRS寒天平板嫌気培養法にて評価しました。
熱風温度が低い程、生菌数を多く保った粉体を製造することができました。バイオ関連では熱に弱い菌が多いので、スプレードライ条件は基本的には低温に設定することを推奨しています。