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【スプレードライヤーテストレポート】原液供給速度の違いによる粒子径の違いについて
2018.02.05更新
以前の試験で、ロータリーアトマイザー方式のディスクの回転数・コンプレッサー圧力を変更することで、 得られる粒子の径に違いがでることを確認しました。
※結果の詳細については、「【技術情報】ディスク回転数と粒子径、形状の相関について」と「【技術情報】コンプレッサーエアー圧力の違いによる粒子径の違いについて」を参照。
今回は二流体ノズル方式を利用し、原液供給速度を変更して粒子径の違いについて確認します。
測定条件
【スプレードライ条件】
使用装置: | スプレーボーイ(SB39) |
---|---|
コンプレッサーエアー圧力: | 0.4MPa |
原液供給速度: | 0.5kg/h、1kg/h、2kg/h |
温度条件: | 入口温度200℃ / 出口温度75~108℃ |
【スラリー条件】
原料: | アルミナ 30wt% |
---|---|
溶媒: | 精製水 69.75wt% |
バインダー: | PVA 0.25wt% |
粘度: | 85mPa・s |
液比重: | 1.29g/ml |
上記条件にてスプレードライヤーテストを実施した所、粒度分布が以下の結果となりました。
測定結果
表1 原液供給速度の違いによる粒度分布Dv50(μm)
原液供給速度(kg/h) | 粒度分布Dv50(μm) |
---|---|
0.5 | 7.0 |
1.0 | 7.1 |
2.0 | 11.0 |
図1 粒度分布(体積)
緑:原液供給速度 0.5kg/h
赤:原液供給速度 1.0kg/h
青:原液供給速度 2.0kg/h
上記測定結果より、原液供給速度0.5kg/hと1.0kg/hではそれほど粒子径の違いを確認することはできませんでしたが、2kg/hでは粒子径が大きくなり、原液供給速度を上げることで粒子径が大きくなることが確認できました。
今回の運転では供給速度のみを変更し運転を行っておりましたが、出口温度にも違いが出たのでこれについて確認します。
表2 出口温度結果
原液供給速度(kg/h) | 出口温度(℃) |
---|---|
0.5 | 107~108 |
1.0 | 98~99 |
2.0 | 75~77 |
表2より、原液供給速度を上げるほど出口温度が下がっていくことが確認できました。
これは原液供給速度を上げると水分蒸発量も上がり熱を奪う量が多くなる為、出口温度が下がります。
出口温度が下がると乾燥が悪くなる為、原液供給速度を上げる際には入口温度を変更して出口温度を上げる等などの対策も考える必要がありそうです。
【参考情報】
ディスク方式でも同様の運転を行ってみましたので、参考までに載せます。
測定条件
【スプレードライ条件】
使用装置: | 中型Pシリーズ P260(乾燥室径φ2600mm) |
---|---|
原液供給速度: | 14.3kg/h、23.8kg/h |
【スラリー条件】
原料: | デキストリン 30wt% |
---|
上記条件にてスプレードライヤーテストを実施した所、粒度分布が以下の結果となりました。
測定結果
表3 ディスク方式_原液供給速度の違いによる粒度分布Dv50(μm)
原液供給速度(kg/h) | 粒度分布Dv50(μm) |
---|---|
14.3 | 60.0 |
23.8 | 60.1 |
図2 ディスク方式_粒度分布(体積)
緑:原液供給速度 14.3kg/h
赤:原液供給速度 23.8kg/h
ノズル方式では違いを確認できましたが、ディスク方式では違いを確認できず。。。
今回の試験ではディスク方式よりも、二流体ノズル方式での運転のほうが違いが出やすい結果となりました。
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