基礎(スプレードライヤー スプレークーラー)
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【スプレードライヤーテストレポート】コンプレッサーエアー圧力の違いによる粒子径の違いについて
2017.11.21更新
以前の試験で、ロータリーアトマイザー方式のディスクの回転数を変更することで、
得られる粒子の径・形状に違いがでることを確認しました。
※結果の詳細については、「【技術情報】ディスク回転数と粒子径、形状の相関について」を参照。
今回はロータリーアトマイザー方式ではなく、二流体ノズル方式を利用し粒子径の違いについて確認します。
小さい粒子径を得る際にはロータリーアトマイザー方式よりも二流体ノズル方式のほうが適しております。
※ノズル方式に詳細ついては、「【スプレードライヤーとは】噴霧方式 ~ノズル方式」を参照。
今回のスプレードライヤーテストでは、コンプレッサーエアー圧力だけを変更し、その他条件は一定として、得られる粒子の径を確認しました。
今回テストに使用した装置
写真1 スプレーボーイ(SB39)
今回テストに使用したノズル
写真2 2流体ノズル
【スプレードライ条件】
使用装置: | スプレーボーイ(SB39) |
---|---|
製品捕集: | サイクロン捕集 |
コンプレッサーエアー圧力: | 0.6MPa,0.4MPa,0.2MPa,0.1MPa |
原液供給速度: | 1kg/h |
温度条件: | 入口温度200℃ / 出口温度98~100℃ |
【スラリー条件】
原料: | アルミナ 30wt% |
---|---|
溶媒: | 精製水 69.75wt% |
バインダー: | PVA 0.25wt% |
粘度: | 85mPa・s |
液比重: | 1.29g/ml |
上記条件にてスプレードライヤーテストを実施した所、粒度分布が以下の結果となりました。 (測定装置:マルバーン製morphologi G3)
測定結果
表1 コンプレッサーエアー圧力の違いによる粒度分布Dv50(μm)
コンプレッサーエアー圧力(MPa) | 粒度分布Dv50(μm) |
---|---|
0.6 | 7.0 |
0.4 | 7.1 |
0.2 | 10.3 |
0.1 | 11.3 |
図1 粒度分布(体積)
赤:コンプレッサーエアー圧力 0.6MPa
緑:コンプレッサーエアー圧力 0.4MPa
青:コンプレッサーエアー圧力 0.2MPa
茶:コンプレッサーエアー圧力 0.1MPa
上記測定結果より、コンプレッサーエアー圧力の変更により粒子径を変更することができ、コンプレッサーエアー圧力を下げるほど粒子径が大きくなることが
確認できました。またコンプレッサーエアー圧力0.6MPaと0.4MPaでは粒子径にさほど変わり無いことも確認できます。
粒子径に変化が無かったことについての検証として、各条件の造粒粉の回収率についても確認します。
表2 コンプレッサーエアー圧力の違いによる回収率(%)
コンプレッサーエアー圧力(MPa) | 回収率(%) |
---|---|
0.6 | 86.5 |
0.4 | 92.0 |
0.2 | 93.0 |
0.1 | 88.8 |
表2よりコンプレッサーエアー圧力0.6MPaのほうが0.4MPaよりも回収率が悪いことが確認できます。
今回の回収粉はサイクロンで回収できた粉を比較しており、0.6MPaでは小さい粒子がサイクロンでは捕集することができず、
サイクロン以降のバグフィルターに流れてしまったことで収率が悪くなったと考えます。
小さい粒子がサイクロンで回収できていない為に、0.6MPaと0.4MPaの粒子径にさほど変わりが無かったと考えられます。
また0.1MPaも回収率が他の条件と比べ悪くなっております。これは粒子径が大きくなった為に乾燥室内に付着が発生した為と考えます。
私の目視ではありますが、他の条件に比べて付着が多かったと感じております。
以上のことから今回のスプレードライヤーテスト結果として以下のことが確認できました。
結果① | コンプレッサーエアー圧力を下げるほど、粒子径は大きくなる。 |
結果② | 粒子径が小さいとサイクロンでは回収できない粉が発生し、サイクロンでの回収率が悪くなる。 (今回の試験では確認しておりませんが、スプレーボーイではバグフィルター捕集も可能です。) |
結果③ | 粒子径が大きいと付着が発生し回収率が悪くなる。 |
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